著者アーカイブ 石川テスト

石見神楽と神楽面工房

石見神楽はその迫力と圧倒的なパフォーマンスで世界的にも有名な民俗芸能ですが、その起源は神社で神様に奉納する神楽舞い、特に石見神楽は松江に今も残る佐陀神能と呼ばれる奉納舞いが変化したものと言われています。派手な演出の陰に隠れがちですが、今も神楽社中の方々は神様への奉納の心を持って舞われています。

神楽に使用する神楽面を製作しているのが、温泉津温泉にある小林神楽面工房。
ここでは神楽面の製作工程の見学はもとより、神楽面の絵付け体験も行っています。

週末の夜は開湯1300年と言われる温泉津温泉内の龍御前神社で夜神楽の公演が毎週行われています。温泉津温泉自体も国の重要伝統的建築物群(町並み保存)に指定されるレトロな街並みが魅力です。

たたらと鉄の文化圏

映画「もののけ姫」にも登場する、日本で発達した製鉄の伝統技法「たたら」。
島根では、中国山地の砂鉄と木炭を原料に、古代から鉄作りが行われ、その生産量は、江戸時代後期から明治時代初めの最盛期には国内の生産量の半分以上を占めたと言われています。

日本刀を製作する上で欠かすことのできない玉鋼(たまはがね)はこのたたら製鉄でなければ生産することができません。たたら製鉄が生んだ景観と歴史、伝統を雲南、奥出雲に訪ねます。

松江城と小泉八雲


松江のシンボルでもある松江城ですが、江戸時代初期に建てられたこの城は実践的な戦いのための構造を持つ城で、国宝に指定されています。この松江城の建設に関わるある出来事のために、松江では今でも盆踊りをやらない風習があります。何故なのかは訪ねてみてのお楽しみ。「怪談」で有名な小泉八雲もその話を著書に執筆しています。

松江城を中心とするエリアは江戸時代の武家文化を色濃く残す町並みが残り、その中に小泉八雲記念館と八雲旧居もあります。小泉八雲記念館の館長は八雲の曾孫にあたる小泉凡氏。運が良ければ直接八雲のお話が聞けることも。お城の掘割を巡る堀川遊覧船も珍しいもの。冬は船の中に炬燵が出現します。


広瀬絣と藍染


安来市広瀬町にある天野紺屋は操業150年になる藍染めの工房。当地特産の広瀬絣を織るための糸染めと機織りを代々続けてきました。

5代目にあたる天野尚さんは「青蛙」という作家名で独自の型染めもなさっています。
工房の見学だけでなく、藍染めの体験教室も開催。手ぬぐい、Tシャツなどを作って頂くことができます。